基になっているのは、陳寿が著者の『正史三国志』で、現代において様々な観点で創作されている作品は『三国志演義』から影響を受けていると思われます。魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)の中国の後漢末期から、三国が争覇した三国時代の歴史を述べた歴史書。
 『正史三国志』は歴史書で、『三国志演義』は、歴史小説。
 


『三国志演義』では、後の蜀漢皇帝「劉備玄徳」の半生が、平民から天下三分の一つを得るまでがドラマチックに描かれているので、彼の生涯の腹心である「関羽」「張飛」と義兄弟の誓いである桃園の誓いから始まり、中盤に天下の奇才と称される伏龍・「諸葛亮孔明」との出会いである三顧の礼から、孔明の活躍を主軸に語られていることが多いです。
物語的には、孔明が病で倒れるところまで描かれています。
なので三国時代は、蜀を鼎立した蜀漢が滅亡して天下三分が崩れる263年までか、後漢滅亡から晋が天下を統一した280年までとも言われています。



演義の方は、物語を盛り上げるための英雄たちの逸話があるエンターテイメント性を重視していて、日本で作られた「三国志」は小説や漫画やゲームなどの各種作品のタイトルとして用いられますけど、ほとんど演義の影響のほうが強いです。



社会のビジネス競争の中でも、競争を生き抜く知恵や企業のリーダー像の見本として、『孫子』などともに『三国志演義』もしばしば参考にされ、『三国志演義』に学べとしたビジネス書が多数刊行されていて、かの野村監督などの著名人も、薦めています。
有名なメディア展開作品としては、吉川英治三国志を基に長編漫画作品化した横山光輝『三国志』、人形劇がNHKで放送された『人形劇 三国志』などが人気を博します。また、漫画『蒼天航路』・『天地を喰らう』、などの名作も生まれ、爆発的な三国志ブームが起き、三国志は誰もが知るジャンルの一つとして定着することになります。
ゲームでは、コーエー(当時光栄)のシミュレーションゲームソフト『三國志』、アクションゲームソフト『真・三國無双』、がシリーズ化されてヒットしています。 
これらの三国志を題材にした作品は、必ずしも『三国志』または『三国志演義』を忠実に再現しているわけではなくて、独自の改変が加えられているものも多いです。
また、「もしも~」という架空の設定で作られている作品や、あるいは人物設定を大きく換えているものなど、様々な作品が存在して進化・発展を続けて、いまや日本だけでなく、世界中に広まる人気作品なのです。
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