なぜ、天下統一を成し遂げなかった武田信玄を題材にしたのかは分からないですけど、大河ドラマに便乗したものと思われるシミュレーションゲームです。
まずは内政パートで自国を強化しながら甲斐周辺の13国を制圧する第一部、第二部の宿敵・上杉謙信との戦い、第三部で織田信長との決戦を経て、史実とは異なる全国統一を目指す全三部構成となっています。(第二部、三部は戦争のみとなり、内政パートはありません。)
第一部に関しては、「信長の野望」に近いイメージ。 
ステージクリア式のシミュレーションで、第二部、第三部は決められた兵力で如何に勝つか・・・というウォーシミュレーションゲームといえるでしょう。
国をすべて失うか、寿命である1601年を迎える、第二部・第三部では連戦で負け越してしまう事でゲームオーバーとなります。



各大名にはレベルが設定されていて、戦争での兵の強さに影響するので、第一部でレベルをあげておく事は非常に重要です 。
このゲーム自体に訓練で兵を強化するという概念はないので、戦争を繰り返す事によって経験値を得てレベルアップしていくのですが・・・下手をすると、第二部・第三部で詰んでしまう事態に。



他国へ出兵するか攻められると戦争になります。「野戦」と「攻城戦」の2種類があって、野戦を勝ち抜いた後に侵略を続けると攻城戦となり、最終的に攻城戦に勝つ事で領土を奪うことが出来ます。こういう仕様のため、野戦では勝ったけど攻城戦は行わずに引き上げるといった事も可能に。
戦争に勝つと大量の金と米が得られる上に、レベルを上げる為の経験値も得られる為に攻略には欠かせないのですが、第一部では20ターンを経過すると引き分けになってしまうので注意が必要。
その時にどれだけ絶望的な状況でも、全滅していなければ引き分けになります。
第二部・第三部は連戦を勝ち越す事でクリアとなるのですが、そもそも敵の戦力とは互角ではなく、敵本陣がいると思わしき部隊と当たった場合は、絶望的な戦力差によって勝つ事がほぼ不可能な事もあります。(クリア条件はあくまで勝ち越しなので負けなければ問題はありません。 )

歴史シミュレーションゲーム
というジャンルにおいて珍しくパスワードによる中断を行うのですが、保存されるのは信玄のいる国の兵力とレベル、占領した領地の数のみという意味が分からない仕様です。
それ以外のパラメーターは、お金や領地の内政値といった超重要パラメーターですら全て初期値に戻ってしまうことに。
なので、お金を増やしてもパスワードで全部初期値に戻るため、内政はほとんど意味が無い。
また、あと少しで倒せそうな国や他国に滅ぼされた国も普通に復活するので中断のタイミングには考える必要があります。
物資の取引などは商人が国に来ている時しか行えないが、来る確率は完全にランダム。
しかも商売のレートが一定ではないので、何故か鉄砲よりも弓が高くなるような滅茶苦茶なレートになる事も。
 
裏技
ただ、徴兵する事で「石高」「服従度」「裕福度」が下がるのですが、パスワードを使用すると兵力(記録される)は上がっているのに、いずれも初期値にリセットされてしまうので徴兵後にパスワードを取ってやり直すことでタダで徴兵できるというテクニックが使えます。
徴兵や戦争で軍事力が整ったけど、国力を限界まで削ったところをパスワードで国力は元通りな状態にすることができるのです。信玄が「悪用するでないぞ!」 と言うのも納得。
コンピューターの思考ルーチンで、待機すると攻めにかかってきていても直前でフラフラする習性があります。城の中で気合を入れまくるだけで時間切れで帰ってしまう事もあるので、「待ち」の戦略も使えます!まさに、動かざること山の如し。



私自身、初めてプレイしたシミュレーションゲームだったのですが、如何せん完成度に問題があり・・・第三部の途中で挫折しました。
バッテリーバックアップではなく、パスワード式なので現在でもファミコンで遊ぶことができるのですが、もう少しバランス調整ができていれば、普通に遊べるゲームになりえたのですけど・・・。
続編も発売されているのですが、本作の様々な反省点が生かされているので良作になっています。
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