漫画家の本宮ひろ志氏原作の三国志を題材とした作品『天地を喰らう』のロールプレイングゲームです。



漫画原作の方は、天界・魔界などの異世界も存在し、三国志演義と異なるオリジナル感があふれる物語となっていましたが、本作の世界観は、小説『三国志演義』をベースに作られています。



プレイヤーは劉備軍を操作し、桃園の誓いから五虎将軍や諸葛亮などの軍師を集めて、宿敵・司馬懿仲達を倒して天下統一を目指すという流れで展開されます。史実では五丈原で倒れた孔明亡き後で、蜀は滅亡の一途をたどりますけど・・・原作とは異なる漢王朝の復興を遂げるのが目的となります。
漫画も、ここまで描かれていたら最高でしたけど・・。



普通のRPGでいう「HP」を「兵士数」に置き換え、兵士数の増減により武将の攻撃力が変化するというシステムを採用しているので、レベルが上がれば兵士数上限も上昇するため、攻撃力も増加するという仕組み。
逆に兵士数が減ると攻撃力も下がるので注意が必要となります。
「魔法」という概念の攻撃は「策略」で表されていて、武将や軍師の知力・能力で成否と効果が変わり、水計は近くに水源がないと使用できないといった独特なシステムになっています。
また兵糧という概念があり、劉備軍の総兵士数に応じて一歩ごとに消費されていき無くなってくると兵士数が減っていきます。



レベルや経験値や策略ポイントはパーティー共通のデータとなっているので、レベルアップで上がるのは兵士数上限と最大SPだけで武将の武力や知力は変化しないというもの。
なので、最初から武将そのものの強さは分かっています。
装備品も全武将共通で、編成所で外した武将の装備が自動で装備されていくので、新しく部隊に加えた武将の装備を整える必要がないので、いちいち装備を替える手間がない親切設計でした。



魏や呉などの史実では配下にできない敵武将も仲間にできるというのが画期的で、武将の能力や強さよりも好みで編成できるのは面白かったです。
三国志ファンなら、華雄や張梁や呂蒙などの武将を蜀軍で使えるというのはテンション上がります♪
ただ、レベルアップする武将は関羽・趙雲などの五虎将軍と姜維・孔明の一部の武将のみで、それ以外の武将のレベルは上がらず兵士数が固定なのが残念でした。



システムに問題点もあり、劉備軍の最大SPは「レベルが上がった際に、そのレベルで覚える策略を使える武将がパーティーにいる」場合に3~5の割合で上昇するのですが、策略を使える武将がパーティーにいなかった場合は最大SPは上昇しないが策略は自動的に覚えたことになるため、SPが上がる機会を逃し続けていると、策略を使用する頻度が増えるゲーム後半にSP不足に陥る可能性があるので詰んでしまいます。
しかも、レベルが50以上になると、その内にレベルアップ毎にキャラクターのステータスがどんどんバグるようになっていき、最終的に進行できないほどの取り返しがつかない状況になってしまうので注意が必要です。



ゲーム終盤は敵軍師の策略が強力になり、「げきめんの計」で攻撃を無効化して「かんぷくの計」で完全回復するというコンボをしてくるので、率先して倒す必要があるのですが、「こうずい・あんさつの計」を使われるとコチラが壊滅的な被害をこうむるので・・・レベルをかなり上げて挑んだとしても、倒せるかどうかは運次第という場面もあります。
なので、敵の策略を無効化する「さくめんの計」が必須となるのですが、効果時間はランダムという・・・SPがなくなるとお手上げ状態でした。
最終戦は司馬懿・司馬昭兄弟という軍師キャラと連戦になるので、凶悪な難易度です。
「かいしんたん」と「しんげきのふだ」重宝するので、必ず用意しておきましょう。
  
  

劉備の宿敵である曹操との対決はないのですが、孫権率いる呉との決戦があったのはよかったです。漫画原作で登場しなかった、馬超や姜維や孫権を見ることができたのはファンにとっては嬉しい作品でした♪



それまで真っ向から三国志の世界をRPGで表現したゲームはなく、それでいて独自のシステムで面白さを再現してヒット作になりました!
二年後に続編『天地を喰らうⅡ 諸葛孔明伝』が発売され、GB版も出ています。
SFC版はシュミレーションとして、アーケード版はアクションゲームとして発売されている人気シリーズとなっています。

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